トランザクション

トランザクション（データベースとSQL）

意味一連の処理をまとめる機能

トランザクションとは？

トランザクションは、データベース操作を一つのまとまりとして扱う機能です。複数の操作を一つの単位として実行し、全ての操作が成功した場合のみ変更を確定（コミット）します。途中で失敗した場合は、全ての変更を取り消し（ロールバック）、データの整合性を保ちます。

トランザクションの具体的な使い方

トランザクションの例

// データベース接続（PDOオブジェクト）が $pdo に格納されているとします

try {
    // トランザクションの開始
    $pdo->beginTransaction();

    // 口座1から100円引き落とし
    $stmt1 = $pdo->prepare('UPDATE accounts SET balance = balance - :amount WHERE id = :id');
    $stmt1->execute(['amount' => 100, 'id' => 1]);

    // 口座2に100円入金
    $stmt2 = $pdo->prepare('UPDATE accounts SET balance = balance + :amount WHERE id = :id');
    $stmt2->execute(['amount' => 100, 'id' => 2]);

    // トランザクションのコミット（変更の確定）
    $pdo->commit();
    echo "転送が成功しました。\n";

    // 更新後の残高を表示
    $balances = $pdo->query('SELECT id, balance FROM accounts WHERE id IN (1, 2)');
    foreach ($balances as $account) {
        echo "口座{$account['id']}の残高: {$account['balance']}円\n";
    }
} catch (Exception $e) {
    // エラーが発生した場合はロールバック
    $pdo->rollBack();
    echo "転送に失敗しました: " . $e->getMessage() . "\n";
}

👇出力結果

転送が成功しました。
口座1の残高: 900円
口座2の残高: 1100円

この例では、二つの口座間で100円を転送する処理をトランザクションで管理しています。beginTransaction()でトランザクションを開始し、両方の更新が成功すればcommit()で変更を確定します。途中でエラーが発生した場合はcatchブロックでrollBack()を呼び出し、変更を取り消します。これにより、片方の口座のみが更新されるような不整合を防ぎます。

トランザクションに関するよくある質問

Q. トランザクションの目的は？

A. トランザクションの主な目的は、複数のデータベース操作を一つの論理的な単位として扱い、データの整合性を保つことです。全ての操作が成功した場合のみ変更を確定し、一つでも失敗した場合は全ての変更を取り消すことができます。

Q. ROLLBACKとは何ですか？

A. ROLLBACKは、トランザクション内で行われた全ての変更を取り消し、トランザクション開始前の状態に戻す操作です。エラーが発生した場合や、意図的にトランザクションをキャンセルする場合に使用します。

Q. トランザクションの注意点は？

A. トランザクションを使用する際の主な注意点は、トランザクションの範囲を適切に設定すること、デッドロックを避けるためにトランザクションの実行時間を短くすること、そしてエラー処理を適切に行うことです。また、トランザクション内でコミットやロールバックを確実に実行することも重要です。

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