threading.Event

スレッディング・イベント（標準ライブラリ）

意味スレッド間同期

threading.Eventとは？

threading.Eventは、スレッド間でイベントを通知するための仕組みです。Eventは、フラグのようなもので、最初はFalseに設定されています。あるスレッドがEventをTrueに設定すると、他のスレッドはそれを検知して処理を進めることができます。

threading.Eventの具体的な使い方

イベントを使用したスレッド間通信

import threading
import time

def worker(event, name):
    print(f'{name}: イベント待機中...')
    event.wait()
    print(f'{name}: イベント受信！処理開始')
    time.sleep(2)
    print(f'{name}: 処理完了')

def main():
    event = threading.Event()
    threads = [
        threading.Thread(target=worker, args=(event, 'ワーカー1')),
        threading.Thread(target=worker, args=(event, 'ワーカー2')),
        threading.Thread(target=worker, args=(event, 'ワーカー3'))
    ]
    
    for t in threads:
        t.start()
    
    print('メインスレッド: 3秒後にイベントを設定します')
    time.sleep(3)
    event.set()
    print('メインスレッド: イベントを設定しました')
    
    for t in threads:
        t.join()
    
    print('メインスレッド: すべてのワーカーが終了しました')

if __name__ == '__main__':
    main()

👇出力結果

ワーカー1: イベント待機中...
ワーカー2: イベント待機中...
ワーカー3: イベント待機中...
メインスレッド: 3秒後にイベントを設定します
メインスレッド: イベントを設定しました
ワーカー1: イベント受信！処理開始
ワーカー2: イベント受信！処理開始
ワーカー3: イベント受信！処理開始
ワーカー1: 処理完了
ワーカー2: 処理完了
ワーカー3: 処理完了
メインスレッド: すべてのワーカーが終了しました

このコードでは、threading.Eventを使用して複数のワーカースレッドを制御しています。メインスレッドがイベントを設定するまで、すべてのワーカースレッドは待機状態になります。イベントが設定されると、全てのワーカーが同時に処理を開始します。これにより、特定のタイミングで複数のスレッドを同時に開始する方法を示しています。

threading.Eventに関するよくある質問

Q. threading.Eventの主な用途は？

A. threading.Eventの主な用途は、スレッド間で同期を取るためです。あるスレッドが特定の条件を満たしたことを他のスレッドに通知する際に使用します。例えば、タスクの完了や準備が整ったことを伝えるのに適しています。

Q. wait()とset()の役割は？

A. wait()メソッドは、イベントが設定されるまでスレッドを待機させます。set()メソッドは、イベントを設定（True）し、待機中のすべてのスレッドを解放します。これにより、wait()で待機していたスレッドが処理を再開できます。

Q. clear()メソッドの使い方は？

A. clear()メソッドは、イベントの状態をリセット（False）します。これにより、再度wait()で待機できるようになります。イベントを繰り返し使用する場合に、set()の後にclear()を呼び出すことで、イベントを再利用できます。

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